
こんにちは。
今回は、12月29日のカンブリア宮殿に出演される、安永雄玄(やすながゆうげん)さんを紹介します。
安永さんは、浄土真宗「築地本願寺」のお坊さん。
しかも、ビジネスの常識をお寺に持ち込み、改革を進めているというなんとも大胆な方です。
そんな安永さんのプロフィールや経歴、お寺とビジネスを融合させている理由などをまとめていきます。
記事の目次(クリックで飛べます)
安永雄玄さんのプロフィール!

引用:https://globis.jp/article/6368
- 名前:安永雄玄、本名は安永雄彦
- 役職:浄土真宗本願寺派・築地本願寺、代表役員宗務長塾員
「代表役員宗務長塾員」とは、社長のようなポジションのこと。
築地本願寺は、仏教の一派である「浄土真宗」の中心となるお寺。
安永さんは、浄土真宗のお寺を束ねる社長さんとも取れますね。
ちなみに安永さんが「坊主頭」でない理由は、宗派によるものだそうです。
浄土真宗では「阿弥陀如来は誰でも救ってくださる」という考え方をするので、髪型は自由だそうですよ。
安永雄玄さんの経歴。3度目の転職で僧侶に?!

https://globis.jp/article/6368
- ケンブリッジ大学大学院の博士課程修了。専攻は経営学
- 三和銀行(現三菱UFJ 銀行)22年間勤務
- ラッセル・レイノルズ社でヘッドハンターとして活躍
- 2015年より築地本願寺へ
安永さんは銀行員→ヘッドハンターと転職し、さらに3回目の転職で僧侶になっています。
お寺といえば若い頃から修行する人が多いイメージですが、安永さんは異色の存在ですね。
安永さんが僧侶になったきっかけには、ビジネスに対しての疑問があったそうです。
宗教との関わりが深まったのは、銀行を辞めた後です。
バブル崩壊後の銀行業務は過酷なものでした。
かなり厳しい取引を目の当たりにしながらも、組織のためだと自分に言い聞かせる日々でした。
企業は必ずしも、正しいことをやっているわけではない。
合理性だけでビジネスをするのは本当にいいことなのか。
組織の目標と自分の信念の間で板挟みになっていたという安永さん。
そんなとき、浄土真宗について学べる通信教育の存在を知り、3年間勉強して僧侶になったそうです。
「会社の方針に納得できない」ということは、誰しもが何度も経験すると思います。
その感情を堀りげていった結果、安永さんは浄土真宗の僧侶になったんですね。
納得できない物事について何年も考え続ける、強い信念を感じます。
安永雄玄さんがお寺とビジネスを融合させる理由

引用:http://bunkajiho.co.jp/blog/?p=1495
ビジネスを経験してきた安永さんは、お寺にもビジネスをしっかり持ち込んでいます。
私はもう反感を買うのを覚悟で、宗教法人も株式会社と同じ「コーポレーション」だと言いました。
株式会社は利益を株主に配当するという役割があり、公益法人の場合は株主はいないので、それは公共にまた返せばいいのです。
でも、コーポレーションをサスティナブルに運営していくためには、ちゃんと収入を上げないといけない。
だから、目的は違うけど会社とやり方、運営方法はまったく一緒だ、と常に言っているんです。
これには、「寺院は株式会社と違う」とものすごい反発を受けましたが、そこは根比べです。
高度なサービス業ですよ。でも、サービス業と言うと、また反発を生む。
そこで、「サービスという言葉の語源は何か」と問うのです。
キリスト教におけるミサや法要のことを「サービス」と言うんですね。
モーニングサービスというのは喫茶店のサービスのことではなくて、朝、教会で挙げる儀式のことなんだ、と話して、そういう意味では一緒なんだよ、と言い続けています。
- 築地本願寺銀座サロン →仏教について学んだり、お坊さんに相談したりできる
- 築地本願寺合同墓→生前にお墓の申し込みができる
- 築地本願寺カフェ Tsumugi →カフェとして利用できる
- 電話窓口→お墓のことから人生の悩みまで相談できる
- 築地本願寺の「第一伝道会館」には宿泊可能
安永さんがお寺にビジネスを取り入れた理由は、お寺の運営方法が根本的に「古い」ことにありました。
もともと日本は一家で同じ宗教を進行し、代々同じお寺をよりどころとしていましたが、現代は核家族化や都市への人口流出が進み、血縁で人をつなぎとめることが難しくなっています。
安永さんはそれを大きく改革し、個人の人生に寄り添ったお寺を目指しているそうです。
一人のビジネスパーソンとして悩んでいた、安永さんの気持ちが現れていますね。
「そもそもこれは大きな改革ではなくて、企業なら当たり前にやっていることをお寺でもやるだけ」と語る安永さん。
人のこころを支える、という目標に対し、お寺ならではのアプローチをする。
お寺のシステムを大胆に変える方針と手腕には正直おどろきましたが、
安永さんは「一人ひとりに寄り添う存在としてのお寺」をつくるという目標を見すえ、行動されているんですね。
安永雄玄さんが思う、現代にこそお寺が必要な理由

引用:https://tokyo-trip.org/spot/visiting/tk0053/
安永さんは、現代にこそお寺が必要だと話します。
信仰心があつくなくても、安心を得たいと思うのは根源的な欲求でしょう。
その思いに寄り添うお寺を目指していきたいと思っています。
「自分は何のために働いているのだろう」「働き手としての自分は、これからどこへ行って何をしたらいいのだろう」という根源的な悩みが出てきます。
それに対する最終的な答えは、ご本人しか出せません。
けれども、お寺はそのお手伝いをできると私は考えています。
「なぜ生きるのか」「自分はなにをすべきか」という根源的な問いに悩んでいる人は多くいます。
安永さんは「仏教は苦悩を解決することから出発している」と考え、お寺を気軽に相談できる相手として再認識してもらおうとしているそうです。
お寺の目的を「苦悩の解決」だとはっきりと捉え、細かいしがらみは捨てて、現代人にとって必要なサポートをする。
まさにビジネスをお寺に取り入れている好例と言えそうです。
不安定な時代の中で、宗教を必要としている人は多いのかもしれませんね。
安永雄玄さんが人生において大切にしていること

引用:https://reg-visitor.com/seminar/list.php?id=32&pg=6&id=32
安永さんは、「迷ったらイエス」ということをとても大切にされているそうです。
何度も転職をされていますが、ずっと「迷ったらイエス」のスタンスでいた結果だという安永さん。
築地本願寺の改革に取り組まれたきっかけも、構想を提案して「なら自分でやってみなさい」ということになったからだそうです。
安永さんの迷いなき姿勢の秘密は、迷ったらやってみるというスタンスにあるのかもしれません。
まとめ:安永雄玄さんは、目的を見すえて戦略的に実行していく策士だった!

引用:https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0411/sgk_180411_4747830096.html
今回は、カンブリア宮殿に出演される、安永雄玄(やすながゆうげん)さんについてまとめていきました。
お寺の改革をされているということで、特別な考えをもっている方なのかなと思っていましたが、
お寺が本来持っている「人のこころに寄り添う」という目的に向き合っている真摯な方だということが分かりました。
安永さんがつくっていく新しいお寺のあり方は、これからどんどん広がっていって、いずれは当たり前のことになるのかもしれませんね。
では、今回は以上です。ありがとうございました。
執筆者:ウド マツリ